
減量に入ると、どうしてもトレーニングの出力が落ちやすいですよね。完全にゼロにはできませんが、原因を押さえておくと「落ち幅」を小さくできます。ここでは、よくある理由と、今日からできる対処をまとめます。
力が出ない主な原因
1) 筋グリコーゲン(筋内の糖エネルギー)が不足している
炭水化物は体内でグルコースになり、その一部が水と結びついて筋肉内にグリコーゲンとして蓄えられます。減量中は摂取量が減りやすく、貯蔵が心もとない状態になり、重さが持てなくなりがちです。
2) たんぱく質摂取が足りていない
たんぱく質は筋肉そのものの材料です。不足すると回復が追いつかず、結果として発揮筋力も下がりやすくなります。
3) ナトリウム・カリウムのバランスが崩れている
塩分を極端に控えたり、野菜が少なくカリウムが不足すると、筋細胞の「ナトリウム‐カリウムポンプ」が働きづらくなります。これは筋収縮の土台になる働きで、うまく回らないと力みが効きません。
今日からできる解決策
1) カーボサイクリングで貯蔵を戻す
ハードに鍛える日ほど炭水化物をやや増やし、軽い日や休養日は抑える──この“波”をつくると、必要な日に筋グリコーゲンを確保しやすくなります。体脂肪は落としつつ、出力の落ち込みも緩和できます。
2) たんぱく質は“少しだけ上振れ”を意識
体重×1.6〜2.2g/日あたりを目安に、まずはいまの摂取量を1食あたり5〜10g増やして様子見。炭水化物を増やしにくい日は、脂質を少し引いて調整すると全体カロリーが暴れにくいです。
3) 塩と野菜で電解質を補う
減量中でも、塩は“適量”を。毎食ひとつまみの塩を活用しつつ、カリウム源として葉物野菜・芋類・果物を取り入れましょう。朝食とトレ後に野菜を入れると体感が出やすこと方が多いです。
サプリでできる後押し
クレアチンは筋力・瞬発系の底上げに実績があるサプリです。ローディングの有無はお好みで、1日3〜5gを継続。減量後半を支えてくれることが多いです。
スポーツ栄養の領域では、「まず睡眠と総カロリーの確保が最優先。炭水化物や電解質の微調整は、その土台が安定してから」という見方もあります。体重だけでなく“主観的疲労(疲労感・眠気・集中力)”を週単位で記録すると、配分の見直しポイントが見つけやすい、という意見です。
まとめ:無理なく維持するために
- 出力ダウンの大きな要因は「筋グリコーゲン不足・たんぱく質不足・電解質バランスの崩れ」。
- 対策は「カーボサイクリング」「たんぱく質を少し底上げ」「塩+野菜でナトリウム・カリウムを確保」。
- サプリはクレアチンが相性〇。
私ならこうします
トレが重い日の前夜と当日の炭水化物を増やし(例:+50〜100g)、たんぱく質は各食+5gだけ上乗せ。朝とトレ後に野菜を一皿、調理時は塩を“薄すぎない程度”に。クレアチンは毎日3〜5g。これを2週間回して、持てる重量と体重の推移を見て微調整します。
もちろん、減量速度をゆるめてでも出力を優先する、という選択肢もあります。どちらが自分の目的に合うか、無理のないほうを選んでくださいね。