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減量の急な空腹時、どう乗り切る?|やさしく実践ガイド

結論から

減量中の空腹は“根性で無視”よりも、“波を小さく整える”ほうがうまくいきます。いま来ている空腹は、水分やあたたかい汁物、少量のたんぱく質で浅く受け流し、そもそも空腹を作りにくい一日の設計(PFC・食物繊維・水分・タイミング)に寄せていく、という二段構えです。タイミングは大切ですが、土台は一日の合計量。ここが崩れていると、小技は効きにくいです(注1)。


まず“いま”をやり過ごす

いきなり菓子やパンに手を伸ばす前に、口と胃を落ち着かせる一手を入れます。コップ一杯の水や炭酸水、もしくは味噌汁のようなあたたかい汁物。体がほっとする温度と“かさ”で、数分の余裕が生まれます。そこで、ゆで卵やヨーグルト、サラダチキンなど、脂質を抑えたたんぱく質を少量だけ足します。目的は満腹にすることではなく、次の食事までの橋渡し。ここで糖質だけを単独で入れると、血糖の上下でまた強い空腹がやってきやすいので、たんぱく質を相棒にするのが無難です。

コンビニに寄れるときは、選び方を決めておくと迷いません。たとえば「味噌汁+高たんぱくヨーグルト」「おでん(大根・昆布)+サラダチキン」のように、水分・食物繊維・たんぱく質の三点セットで構成しておくと、余計な買い足しが減ります。どうしても炭水化物を少し入れたいときは、おにぎり半分など“量を自分で切れる”ものにして、谷を作らない程度で止めておくのがコツです。

空腹の“波”を小さくする設計

場当たり的な対処だけでは、同じ波が一日に何度も来ます。効かせどころは、毎食のたんぱく質と食物繊維、そして水分です。たんぱく質は一日の合計で体重×1.6〜2.2gの範囲に収めつつ、20〜40gずつに分けて各食へ。これだけで満足感の持ちが大きく変わります(注1)。食物繊維は海藻・きのこ・葉物が扱いやすく、汁物に混ぜると自然に量が伸びます。コップの水では飲みにくい方も、具だくさんの味噌汁なら続けやすいはずです。

タイミングは、あなたの“動く時間”に炭水化物を寄せるイメージで考えます。夜にトレーニングするなら、昼は脂質+たんぱく質寄りにして、炭水化物はトレ前後へ。朝にトレーニングした日は、昼に炭水化物をある程度回しても使い道がはっきりしています。こうすると、同じカロリーでも空腹の波が整って、衝動買いやドカ食いの芽をつぶしやすくなります。

「こういう考え方があります」

食事のタイミングは効きますが、最優先は一日の合計カロリーとPFCだ、という意見があります。確かに、合計がオーバーしていれば、どんなにタイミングを工夫しても体重は動きづらい。逆に、合計が整っていれば、タイミングは“最後の微調整”としてシンプルに回せます(注1)。完璧な時間割より、続けやすい配置が勝ちやすい――これは多くの実践者が口をそろえるところです。

BCAAは“気晴らし”としてどう?

手元にあれば、風味付きの水分として空腹の気分転換に役立つことはあります。ただ、減量を進めるのはあくまで総カロリーとPFCの設計。BCAAが魔法の盾になるわけではありません。まずは水分と汁物、次にたんぱく質食品。ここを押さえた上で、どうしても間が持たないときの“補助輪”くらいに考えるとバランスがよいと思います。


夜の空腹とのつき合い方

寝る前の強い空腹は、翌日に響かない落としどころを探します。温かい汁物に豆腐や卵を少し。これで体がほぐれて寝つきも損ないにくいはずです。炭水化物は翌朝へ回して、朝の活動やトレーニングで使っていく。夜の“満たしすぎ”は、睡眠の質も体重もブレやすいので、ここだけは慎重に。

それでも辛いときの見直しポイント

たんぱく質が各食で不足していないか、脂質をゼロに寄せすぎていないか(少しは入れたほうが満足感が続きます)、食物繊維と水分が細っていないか。意外と見落としやすいのが睡眠で、短い日が続くと食欲が強く出がちです。ストレスが高い週は、散歩や入浴の時間を“先に予定へ置く”だけでも空腹の波がやわらぎます。

私ならこうします

常備は炭酸水と味噌汁パック、サラダチキンと高たんぱくヨーグルト、海藻。空腹のサインが来たら、まず炭酸水、ついで味噌汁、それでも収まらなければたんぱく質を20gほど。どうしても足りない日はおにぎり半分まで。それと同時に、平日の食事は“毎食たんぱく質+汁物”を固定。トレーニングが夜なので、炭水化物はトレ前後にまとめ、昼は脂質+たんぱく質寄りにします。停滞したら脂質を1食5〜10gだけ削るか、歩数を少し増やして微調整。押しつけではなく、自分が自然に続けられる“型”を淡々と磨いていきます。



参考文献(脚注)

  • (注1: Leidy, H.J. et al., 2015)The role of protein in weight loss and maintenance. Am J Clin Nutr. 101(6):1320S–1329S.(高たんぱく食が満腹感・体重管理に与える示唆)

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