
結論から
減量中の昼ごはんは、その日のトレーニング時間で選び方が変わります。
- 朝に筋トレをした日…お昼は「炭水化物+タンパク質」。使い道が明確なエネルギーと材料を補います。
- 夕方〜夜に筋トレをする日…お昼は「脂質+タンパク質」中心。炭水化物はトレ前〜後に回すと効率的です。
あとは一日の総カロリーとPFCが狙いどおりに収まるか。ここが土台です(注1: Aragon & Schoenfeld, 2013)。
なぜ時間で変えるの?
会話っぽく整理すると——
「今食べる炭水化物、いつ使うの?」がポイントです。
- 朝トレ後は、筋グリコーゲンの回復や筋合成に使い道がはっきりしているので、炭水化物をお昼に回しても目的に合いやすいです。
- 夜トレ予定で、昼食からトレーニングまで5時間以上あくなら、そこで炭水化物を多めに入れても用途がぼやけやすい。血糖・インスリンの波も落ち着くので、脂質+タンパク質中心にして、炭水化物はトレ直前〜直後に寄せたほうが無駄が出にくい、という考え方です。
こういう考え方があります:
「タイミングよりも一日の合計量を守ることが最優先。タイミングは“最後の微調整”」(注1)。
つまり、PFCの合計が崩れていれば、昼を完璧に整えても全体としては痩せにくい、という見方です。
昼ごはんの具体例(コンビニ・外食で再現しやすい)
朝に筋トレをした日(昼=炭水化物+タンパク質)
- おにぎり2個+サラダチキン+味噌汁
→ 炭水化物60〜90g、タンパク質25〜35g、脂質は控えめ。 - ごはん並+鮭の塩焼き定食
→ ごはんの量で炭水化物を調整しやすい。 - そば(かけorもり)+焼き鳥(塩・胸/ささみ)
→ そばで炭水化物、焼き鳥でタンパク質を追加。
ポイント
- 炭水化物は白米/そば/おにぎりなど消化しやすいものを中心に。
- タンパク質は鶏胸・魚・卵・大豆で脂質をコントロールしやすく。
夕方〜夜に筋トレをする日(昼=脂質+タンパク質)
- サラダチキン+ゆで卵+ナッツ一握り+野菜スープ
→ 脂質は卵やナッツから適量、糖質は最小限。 - 刺身定食(ごはん少なめ)+冷奴
→ 良質な脂質とタンパク質中心に。 - チキンサラダ(オイル系ドレッシング少量)+チーズ少々
→ ボリュームは葉物+きのこ+海藻で確保。
ポイント
- 炭水化物はトレ前(60〜90分前)かトレ直後に回す前提。
- 昼は空腹ストレスを避けつつ血糖の乱高下を起こしにくい構成に。
体脂肪が多めの時は?
体脂肪が高めの段階では、**炭水化物を“使う場面に寄せる”**ほど進行が読みやすくなります。
- トレが夜なら、昼は脂質+タンパク質で整えて、炭水化物はトレ前〜後へ。
- トレが朝なら、昼に炭水化物OK。ただし量は一日の設計内に。
よくある誤解をさらっと
- 誤解1: 昼の炭水化物は即、脂肪になる
→ 用途と総量次第。 使い道(トレ前後や活動量)に寄せれば問題になりにくいです。 - 誤解2: 脂質は太るから昼は完全NG
→ 量と質の問題。オリーブオイル、卵、青魚、ナッツなどを適量なら、満足感を保ちつつ減量が進みます。 - 誤解3: タンパク質は多いほど良い
→ だいたい体重×1.6〜2.2g/日の範囲に落ち着かせ、一食20〜40gを目安に分配するのが現実的です。
シンプルな選び方フロー
- トレ時間は?
朝トレ → 昼は炭水化物+タンパク質
夜トレ → 昼は脂質+タンパク質(炭水化物はトレ前後へ) - 一日のPFC設計に収まる?
想定カロリーからはみ出すなら、昼で微調整。 - 活動量は?
歩数・立ち仕事などが多い日は、昼の炭水化物を少量残すのもあり。
具体メニューの組み立て例(PFCの目安つき)
- 朝トレ日・昼:おにぎり2個+サラダチキン+具だくさん味噌汁
→ P:30g / F:6〜10g / C:70〜90g - 夜トレ日・昼:刺身+冷奴+海藻サラダ(オイル少量)
→ P:35〜45g / F:12〜18g / C:10〜15g(ほぼ野菜分) - 汎用の“外せない”セット:タンパク質+野菜+汁物
→ 迷ったらこれに炭水化物 or 脂質を足すだけで、時間帯に合わせやすいです。
夜ごはんは太るの?
「夜=自動的に太る」ではありません。
- 動かない夜に高糖質・高脂質が続くと、単純にカロリー超過になりがち。
- 反対に、夜トレ後は炭水化物の使い道が明確。量の管理さえできれば、減量を妨げるとは限りません。
私ならこうします
- 平日は夜トレ派なので、昼は脂質+タンパク質を基本にして、炭水化物はトレ前バナナ+トレ後ごはんへ寄せます。
- 外食や会食が昼に入る日は、その分を夜に引いて総量を合わせるだけ。完璧主義より週単位で整えるほうが続きます。
- 体重が停滞したら、昼の脂質を5〜10gだけ削るか、夜の炭水化物を少し減らす。まずは“小さく動かす”が合言葉です。
まとめ
- 昼ごはんはトレ時間で決める:朝トレ→「炭水化物+タンパク質」、夜トレ→「脂質+タンパク質」。
- 一日の総カロリーとPFCが最優先。タイミングは微調整。
- 迷ったらタンパク質+野菜+汁物をベースに、炭水化物 or 脂質を足して時間帯に合わせる。
- 夜は動きが少ないほど高糖質・高脂質は太りやすい。夜トレ後は例外で、量の管理が鍵。
参考文献(脚注)
- (注1: Aragon, A.A. & Schoenfeld, B.J., 2013)Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window? J Int Soc Sports Nutr, 10:5. PubMed